アブラハム・H・マスロー「二分法の統一」

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アブラハム・H・マスロー「二分法の統一」

マズローと言えば、心理学を学んでいなくとも、自己実現理論、いわゆる5つの欲求段階説にてどこかしらで聞いたことのあることもあるかもしれない。

 

アブラハム・H・マスロー「完全なる人間 魂の目指すもの」

「彼らは知らないものを無視したり、否定したり、それから逃避したり、実際に知っていると信じこもうとしたりしない。あるいはまた、早まって体系化したり、二分化したり、概括したりすることがない。かれらは熟知しているものにすがりつくこともなければ、真実の探求が、ゴールドシュタインの脳損傷者や脅迫神経症者に誇張されたかたちでみられるような、確実、安全、明確、秩序に対する破局的な欲求にはしることもない。かれらは全体的な客観状勢が求められれば、気楽に、乱雑で、ずさんで、無秩序で、混沌として、曖昧で、あやふやで、不確実で、漠然としていて、概略で、不精密、不正確なもの(すべて科学、芸術、人生一般において、ある場合にはまったく望ましいことである)にもなり得るのである」

 

しかしこれはまさに偉大な画家のやることである。かれは調和しない色彩を集め、たがいに対立するあらゆる種類の不調和なかたちに統一を与えることができるのである。さらにこれはまた、われわれが当惑するような一貫しない事実を、実際は同じものであることがわかるようにまとめてくれる場合の偉大な理論家のおこなうことでもある。偉大な政治家、偉大な治療家、偉大な哲学者、偉大な両親、偉大な発明家もまたそうである。かれらはすべて統合者であり、分離したもの、対立するものでも統一できるのである。 

完全なる人間―魂のめざすもの

 

Written & Photographed by Aki Kunitake