体現するとは、答えを出すこと
以前、「答えの出し方を学ぶ」という一連の記事を書いたが、
自分の人生に対する問いは、生きることでしか答えを出すことができない。
学校の勉強のように親切ではない。
ある意味、正解のない、外から与えてもらうことのできないものなのである。
外から答えを与えてもらうというのは、自分の人生を他人に明け渡すということそのものである。
自己欺瞞とは、自分を偽り、正当化すること
心理学には自己欺瞞(self-deception)という概念がある。
自己欺瞞とは、簡単に言うと、自分に嘘をつくことであり、本心や本音を隠すために、またそれを正当化するために、都合の悪いことはなかったことにし、都合の良いことだけを自分のなかの事実として取り入れることである。
なので、本人に嘘や誤魔化しの自覚がないこともある。
自己欺瞞に陥っている人々は、「使命」、「天職」、「才能」という言葉が好きである。
もっと言うと、「感性」、「直感」、「本質」、「潜在意識」、「本当の自分」、「なりたい自分」などの言葉も多用する。
それらの人々は、それらを体現することではなく、声高に主張し、そのための理由や理論を長々と語る。
思考は現実化する。引き寄せの法則。願い事を紙に書くと叶う。言霊。
よく見かける上記のことに関して、ひとつひとつの正当性や是非は置いておき、
自己欺瞞の人々はこれらが好きであり、率先して行っている。
間違ったカタチで。
つまり、心理学的にこれらを自己暗示の方法として、自分を洗脳していくのである。
そうやって自分に何度も言い聞かせていないと、自分をだませなくなってしまうからだ。
彼ら、彼女らは、一生懸命に自分に言い聞かせているのだ。
もちろん、自分をごまかしたり、自分に嘘をついて現実逃避をしたり、自己暗示を使うことがすべて悪だとは言っていない。
一時的にこれらの方法を使うことで、(生命の危機に関わるような)危機的な状況を回避できることもあるので、緊急避難としては有効であし、その場合、率先して使うことも辞さない。
Written & Photographed by Aki Kunitake